野球小僧 season16

丸坊主にして自由な時間をなくしてまで,青春をそこに注ぐことに意味がある。

他人から応援される人になって欲しい

「あの野郎にいじめられた」より
「あの先輩によくしてもらった」と
言われるようになれ
小倉全由日本大学第三高等学校 硬式野球部監督

野球に限らず、団体競技、チームで行う競技であれば人と人とのつきあいは必ずあります。
付き合う人数が多ければ多いほど、ウマの合わない人、苦手とする人がいるかも知れません。

ちょっとしたことでも、受け止め方は本人でなければ判りません。
嫌がらせとしか思えないようなこと。野球の技術があるがゆえに、技術のない相手をバカにするようなこと・・・何が要因となるのかは、判りません。あげれば枚挙にいとまがありません。

小倉監督が日大三高の監督就任後のあるとき、OBでこんなことを言う人がいました。

「お前がコーチや監督をやってるようじゃ、強くなんてなんねーな」

そのときはこらえたそうです。ですが、その後のOB会の席で顔を合わせたときに、あの言葉を思い出しました。お酒が入っている時で、歯止めがききませんでした。

「ふざけんなよ。この野郎」

暴言を吐いたOBの胸ぐらをつかんだそうです。今にも殴ろうとしたとき、「お前に殴らせるわけにはいかない」と仲間に止められました。監督が暴力を働けば、高野連から謹慎処分を食らうのは間違いありません。
そんな経験があるから、小倉監督は選手たちに常にこう言って聞かせるそうです。

「オレもそういう経験があるから言うんだけど、卒業してまで後輩に殴られるなんて情けないぞ。卒業してからも『あの野郎にいじめられた』と言われるより、『あの先輩によくしてもらった』と言われた方がいいだろう。あのとき、オレは殴りはしなかったけど、そのOBはオレを応援してないぞ。やっぱり、それは損だよな。だから、お前らは後輩の面倒をみてやれよ」

別に先輩後輩という立場だけではありません。同学年生だって同じことです。
同じ目標を持った仲間だからこそ、悩みを聞いてやったり、練習方法を教えてやったり、ときにはアドバイスもしたりします。お互いで競い合って強くなっていけばいいのです。



試合で打席に立った時。スタンドから応援してくれる仲間には、そういう気持ちを持ってもらえる選手になっていますか。
力及ばず、ベンチに入れなかったかど、スタンドから一生懸命応援できる選手はいますか。

「あの人にお世話になった。一生懸命応援しよう」

野球が本当に好きならば、この言葉の意味が分かると思います。