中日ドラゴンズの新監督に就任する工藤公康さんが,2026年10月15日午前10時から会見を行いました。
今日やるとは思っていませんでしたが・・・。
会見でのコメントは,いままで工藤さんがいろいろなところでコメントしていたものが多く見られました。
それだけ,筋がとおっているという感じでした。
工藤公康監督
先日までの職業:農業と野球解説者
愛知県豊明市出身
名古屋電気高等学校(現;愛知工業大学名電高等学校)
1982年,ドラフト6位で西武ライオンズ(現;埼玉西武ライオンズ)に入団
現役時代はライオンズ,福岡ダイエーホークス(現;福岡ソフトバンクホークス),読売ジャイアンツで14度の優勝,11度の日本一を経験。3球団で日本シリーズを制覇し,優勝請負人と呼ばれた
通算224勝を挙げ,日本シリーズ通算最多奪三振(102奪三振)記録を保持
2011年,48歳で現役引退
2015年,福岡ソフトバンクホークスの監督に就任。7年間で6度のAクラス,5度の日本一
長男は俳優・工藤阿須加さん,長女はプロゴルファーの工藤遥加さん
中日ドラゴンズの来季より,監督を仰せつかりました,工藤公康です。みなさんご存知だと思いますが,私は名古屋出身の人間でもありますので,こうやって自分のふるさとに帰って,そして監督という素晴らしい責任あることを命じられたことに関しては,非常にボク自身も強く自分の心の中で思っているところもありますし,自分のことを認めていただいた球団のみなさんにも深く感謝したいと思っております。ありがとうございます。
私は名古屋出身というところもありますので,一番はやっぱり名古屋のファンのみなさんに喜んでもらえるような野球をすること,そして1勝でも多く勝つことによって皆様に喜んでいただけるようなチームを作ることっていうことが一番大きな目標です。
最終的な目標は,もちろん勝って優勝するということが大きな自分の課題にはなるというふうに思いますが,そのためにやらなきゃいけないことを一つ一つしっかりと球団ともお話をさせていただき,私のことも理解していただき,そして同じ方向を常に向いて,歩んでいけたらというふうに思っておりますので,みなさまとともに強いチームを作れるように精一杯がんばっていきますので,本格的に始動するのは,多分来年になるというふうに思いますので,今後ともよろしくお願いします。
Q:この監督のオファーを受けて就任を決めるに至った決め手といいますか,そういったところがあれば教えていただけますか?
そうですね。私も名古屋出身の人間で子どものころから野球をして,ドラゴンズっていう球団ももちろん知っていましたし,パ・リーグというところに長くいたり,セ・リーグにもいましたけど,やっぱりドラゴンズっていうチームを見て地元というところを考えたときに,いろいろ思うところはありました。
そういうなかでこうやって自分自身が,名古屋の人たちのこともいろいろ話を聞いたりすると,みんなすごくドラゴンズのことを思っている方たちが多いというところもありましたので,私自身も自分のできることがあればと。名古屋の人に少しでも恩返しがしたいという気持ちを持って,ドラゴンズさんからの要請を引き受けたということです。
Q:名古屋出身というところはありますけれども,選手としての在籍経験がないドラゴンズという,そのあたりの葛藤というのは何かあったりはしたんでしょうか?
葛藤っていうところはないんですけど,見ることも多かったですし,試合っていうなかではありますけどね。なかなか個人で話すっていう選手はいないというのは当然,ボクのなかにはありますけど,これから一番っていうのはやっぱり選手自身を知ることが一番大事だというふうに思ってますので,近くにいたからみんながわかるということではないと思います。
自分から動いてしっかり知ることによって,選手のやりたいことであったりなりたい自分っていうのも,少しずつは見えてくると思うので,その辺はしっかりコミュニケーションを取っていきながら,それをどうやってコーチや選手のパフォーマンスであったり,能力の向上に繋げていけるかっていうところがボクは鍵だと思ってるので,そこをしっかりみんなでコミュニケーションを取っていきながら進めていければ選手のことはすぐに理解できるんじゃないかなと思ってます。
Q:先ほど契約をされたというお話もありましたが,何か球団側からこんな言葉をかけてもらった印象的な言葉などはありましたか?
そうですね,やっぱり加藤球団社長の方から,「これから100年に向けて」というお言葉もいただいて,本当に強いチームを作っていきたいんだなっていう思いはボクの方にも伝わってきました。ただ大事なことはですね,やっぱりプロの世界1年1年は勝負の世界だというところも十分自分自身でもわかっているので,いま自分ができることをしっかりやってその結果がどうだったかと。
プレッシャーもというお話もありましたけど,プレッシャーがあるのが当たりまえで,ないとつまらないので,そこのプレッシャーっていうのは十分に自分の中で受け止めて,しっかりと選手に反映していけたらなというふうには考えています。
Q:先ほど社長から「すぐにでも優勝争いしてほしい」という言葉にちょっと“ニヤリ”という表情でしたが,その辺りの思いはいかがでしょうか?
いやニヤってしたのはですね,大事なのって課題であったりとかですね,自分自身の課題,いま社長がおっしゃられたように「すぐにでも」というふうになれば,それをいかに自分のなかでクリアしていくかっていうことが何より大事だと思ってます。
「できない」とか「無理だよ」とかっていうとこから始めるんではなくて,「さぁ,それをするために何をしたらいいのか」というところを考えるのが監督の仕事だというふうに思ってますので,そこは真摯に受け止めて,しっかりがんばりたいと思います。
Q:先ほど球団社長,オーナーから近年の成績のお話もありました。ドラゴンズが変わること,工藤監督が変えるということがある種求められているのかなというふうにも我々も感じているんですが,どんなところから手をつけていこうかなというイメージなどはありますでしょうか?
監督が変えるっていうのは,意識を変えるっていうことがひょっとしたらできるのかもしれません。でも監督は野球やるわけでもないですし,コーチが野球やるわけでもないです。野球やるのはあくまでも選手たちが野球をやるので,選手たちの意識を変えていくっていうことが,なによりも大事なことではないかなとボク自身は思ってます。
別に自分のことを優秀だというふうに思ってるわけでもないですし,ボクなら勝てるって断言できるかと言ったら,それは自分が死力を尽くしますということしか言えないところはありますけれど,大事なのは選手としっかりコミュニケーションをとったり,スタッフとコミュニケーションを取ったり,何が最善かっていうのをコーチ陣と話し合ったりいろんな部分がしっかりとミックスされて,その上で良い色を出せればいいかなっていうふうには思っているんですよ。
ボクだけがやるわけじゃないので,ボクは言葉を発して,みんなにね,ときには練習が厳しくなるっていうふうに周りの人が言っているみたいですけど,それはあくまでも選手にとって必要な練習だというふうに自分自身で判断をしたり,コーチと一緒に判断をしたりというところだというふうに思ってます。そのやることに関しても,球団の方,社長含めてですね,みなさんにこんなふうにやっていきたいということもちゃんとお話をさせていただきながら進めていきたいというふうに思ってますので,独断専行みたいなことをするつもりは一切ないです。
大事なのは選手にしても,球団の方にしてもそうですけど,しっかりしたコミュニケーションをとっていくことが何より大事というふうに思ってますので,そこは自分の中でしっかり守りながら,選手に理解を求めながら,やっていければ一番いいんじゃないかなと思ってます。
Q:いまのご自身で優秀な人間ではないようなそんなお話もありましたけれども,これまでの経歴,素晴らしい経歴というところを考えますと,これができたからこれだけの成績を残せてきたとか,自分はこういった監督だみたいなところ,何かポリシーにしているところというのはあるんでしょうか?
ポリシーっていうんであれば,選手個々の能力を伸ばすのはコミュニケーションを持って選手と話をして,選手がどうなりたいか,どんな選手になってどんな活躍がしたいか,そのために何をしなきゃいけないかっていうのを考えるのがボクらの仕事だと思っています。
決して強制的にあれこれやるということはいまの時代においてもそうだと思うんですけど,監督の仕事ではないというふうに思ってますんで。決して強制するつもりはないんですけど,足りないものはしっかりと身につけてもらわなくてはいけないというところは確実にあります。それはプロの世界なので結果として出てしまう。出たら,そこをしっかりと自分たちで自覚すると,何が足りないのかどうして勝てなかったのかっていうのをしっかり理解してもらった上で,じゃあどうすればいいのかですね。失敗したことを悔やむより,失敗したことから経験をして,次に何を学ぶのかっていうところが,ボクは大事だと思うので,失敗しない人間などいないです。だからこそ,前をしっかり向けるように,選手には話をしていきたいと思ってます。
Q:キーマンとなる選手は,いますでしょうか?
全員がキーマンです。野球っていうのはチームで戦うものであって個人で戦うものではないので,個人の能力も当然大事にはなりますけど,全体としてのバランスもすごく大事になってくると思ってます。
ホームランばっかり打つチームが勝てるのかっていうわけではなく,ピッチャーだけが良ければ勝てるのかっていうわけでもなく,それはバランスで成り立っているというふうにボクは思ってるので。隙のない野球っていうのも大事だというふうにも思ってます。自分の掲げるものもすごく大事だというふうに思うので,これからチームを見ていきながら,選手と接していきながら,一つずつ作っていければいいかなというふうに思ってはいます。
誰か1人がよければ勝てるっていうことを考えてないので,全員の能力の向上であったりとか,体力の向上であったりとか,技術の向上であったりとか,メンタルっていうことに関しても,強い思いを持ってやってもらうとか,そういうところが全て総合的にうまくいけば,ボクは必ず強いチームになっていくんじゃないかなというふうに思ってます。
Q:ドラゴンズにはベテランも数多く活躍している選手がいます。工藤監督ご自身も長く現役を続けられました。そういったことも踏まえて,いまのベテランの選手にこんなことを伝えていきたいみたいなことがあれば,お願いいたします。
今日この場でですね,ベテランの人にはこうして欲しいっていうことを言うのはちょっと失礼かなと思ってますので,ちゃんとお会いしてお話をして,しっかり伝えていきたいというふうに思いますんで,すいません。ボクはやっぱりできれば直接選手に伝えたいと思うタイプの人間なので,誰かから伝わると言葉が変わってしまうというのはミスコミュニケーションになってしまったり,信頼を失うっていうことにもなるのでそのへんはご了承いただければと思います。
Q:コーチ陣についてイメージはありますか?
そこも球団と話をして,しっかりコーチ人事を進めています。もちろん決まっている人もいますし,基本的にボクの考えは外部から全部連れてくるという考え方はないです。
大事なのは,ここからどうするかっていうことなので。しっかりとコミュニケーションをとりながら,当然,ドラゴンズのOBの方であれば,選手のことをよく知っていたりとかですね,性格的なものも知っていたりっていう方もいらっしゃると思いますし,ボクもずっと見ているわけではないので,ドラゴンズをよく見ている人の方が,何が足りないのか,これから何を変えていけばいいのかっていうこともわかってる方もいらっしゃると思いますので,コーチの人ともコミュニケーションをしっかり取っていきながらやっていければ,一番ベストじゃないかなと思ってます。
Q:久しぶりに名古屋に住むということになると思います。何か楽しみはありますか?
ないです。
Q:とにかく戦いに来たというそんなイメージでしょうか?
いや,戦いに来たんじゃなくて,選手の能力を伸ばし,そして試合をすることによって結果を残すということが一番大事なことだと思ってますので,そのために来た。
24時間365日選手の事を考え,選手のことを思い,勝つために何をすればいいかをしっかり考えていきたいと思ってます。
Q:改めて「優勝請負人」という言葉もおどっていますが,工藤監督としてドラゴンズの監督として,いま考えてらっしゃる目標をお聞かせください。
目標は一つです。それ以外には考えてはいません。結果はどうなるかっていうところを考えることよりも,そのために何をするかっていうことの方が大事だと思ってますので,それに関してしっかりコーチ陣とも選手とも,そして球団のみなさんとも話をして,何がベストかっていう中でしっかりとその最適化っていうのを図っていきながらやっていくことが大事だと思います。
ボクは独断専行するっていうことは一切考えていませんので,しっかりコミュニケーションをとると,たとえ自分のやりたいことがあっても,球団からノーというふうに言われれば,それはノーです。
だからいま,大島オーナーからもあったように最初のごあいさつのなかで,ボクは中間管理職なので,上からもいろいろ要望があればそれを聞き,下からの要望があったらそれも聞き,そこのバランスを取るのがプロ野球の監督だというふうに位置づけていますんで,しっかり良いバランスのなかでみんながやりがいを持って野球やってく。厳しいかもしれないです。現状がこの位置っていうことを考えればですね。
でも,選手は必ず伸びると思うし,能力はあると思ってます。いかにその能力を引き出すかっていうのが監督やコーチ,ひいては球団の仕事だというふうに思ってますので,いいバランスの中で,しっかりみんなとコミュニケーション取ってやっていければというふうに考えています。
Q:工藤監督もよくご存知の,熱いドラゴンズファンのみなさんへメッセージをお願いいたします。
ドラゴンズファンのみなさん,来シーズンから監督を務めさせていただきます工藤公康です。よろしくお願いします。熱いドラゴンズファンのみなさんのために,一つでも多くの勝利をつかみ取れるように,そしてみなさんに少しでも喜んでもらえるように,「工藤が監督になってよかった」と思ってもらえるように,日々精進して頑張っていきたいと思いますので,私含め選手たちも含め,球団も含め,みなさんで支えていっていただければすごく嬉しく思いますので,どうぞよろしくお願いします。
Q:選手の意識という話がありましたが,工藤監督から見て日本一のチーム,あるいはリーグ優勝するような強いチームにある意識っていうのはどんなものでしょうか?
意識っていうのは,自分がどうなりたいかっていうところもボクは大事にしてる部分ではあるので,そこのモチベーションに繋がるような意識をしっかり選手に持たせるということが大事だとは思います。意識って非常に幅が広すぎるので,何に対する意識なのかっていうことにもなるんですけど,勝つっていうことの意識っていうことであれば,選手に勝てよっていうことが本当にプラスになるのかっていうのはちょっと違うかなっていうふうに思います。
大事なのは選手自身の役割であったりとか,選手自身が何を目指してるのかっていうことが何よりも大事になってきて,そのなかで本当の意識が芽生えるんではないかなと,それは自分の役割の意識もあったりするでしょうし,チームっていうのがどうあるべきかっていう意識にも繋がるかなというふうに思います。
いろんな意識があるというふうに思うので,それを同じ方向を向けることが一番大事なことではないかなと思うので,そこにみんなが向いてもらえるように,そして1人1人の役割がよしと思ってもらえるようにするのが本当の意識付けになるんではないかなと思ってます。
Q:コミュニケーションというワードがたくさん出てきました。コミュニケーションを大切にする。原体験,きっかけ,理由ありましたら教えていただけますか?
自分の失敗です。自分が監督やっているときの失敗っていうのが,いわゆるその誰かを挟んでコミュニケーションを取ったりとか,自分の言葉っていうのがやっぱり相手に伝わったときに違う伝わり方をしてしまうということが,ボクが監督やってるときに失敗をしたことです。
ですので,その失敗を2度と繰り返さないためには,しっかり自分の言葉を整理した上で使っていくっていうこともすごく大事なことの一つでもありますし,誰かを挟んで間違えてしまうんだったら,ちゃんと直接話をして,もしくはそれに関係するようなコーチがいるんであれば,コーチとの三角関係の中でしっかり話をするとか,例えばコーチと話をした方がいいか,監督と話をした方がいいのか,三者で話をした方がいいのか。
みんなの意見も聞きながらそのなかでしっかり選んでいくということが,ミスコミュニケーションにならない大事なことだとボクは思ってますので,そのミスコミュニケーションっていうのがやっぱりチームのなかでいうと亀裂を生んでしまったりとか,選手とコーチ陣,監督含めてですけど,コミュニケーションが足りないことで伝わってないとかいうことが,ボクは一番いけないことだというふうに思っているので,何でも話をすればいいことかっていうことではないんですけど,でも話をしないとわかり合えないこともたくさんあるということは,ボクは失敗から学ばせていただきました。
ですので,その失敗を繰り返さないためにも,自分自身もしっかりと1人1人と向き合っていきたいなというふうにはいま思ってます。
Q:ホークス時代チームの変化っていうのは,そのコミュニケーションを通じて感じるところっていうのはやはりありましたか?
ありました。ボクが監督7年間やってて一番嬉しかった言葉は,「監督も変わりましたね」と選手に言ってもらったことです。
優勝で胴上げしてもらうことよりも,日本一になることよりも,その言葉の方がボクは一番嬉しかったので。
時間はかかりました。駄目だったボクにいろいろ教えてくれたのも選手です。だからボク自身は決して監督は偉いと思ってませんし,選手のために何ができるかっていうのが本来の監督の仕事ではないかなというふうにボク自身は思ってます。
Q:背番号は81,ソフトバンクの監督時代と同じ番号ですが,そこへの思い,決定の経緯を教えていただけますでしょうか?
経緯はほぼないです。「81ですか」「いいですよ」という感じだったので,経緯っていうのはないんですけど,ボク「81」しかつけたことがないので,違う番号に違和感を持っていたっていうところはあります。別にそこで成績が出たから81にしたいって思ってはいません。
なので,つけたことがなかったり,自分のラッキーナンバーでもあったりするので,そういうところからも,自分が81がいいんじゃないかなというふうに思ってお伝えさせていただきました。
Q:優勝するチームの共通点はありますか?現役時代そして監督時代と優勝経験,日本一の経験もたくさんあります。そういった実体験に基づいて,優勝するチーム,勝ち切るチーム,強いチームの共通点はありますでしょうか?逆にそこが足りないから,いまドラゴンズは低迷しているのかなとも思いますのでぜひ伺いたいです。
共通点というのは,まず一つは当たりまえを当たりまえにできるかどうかです。
基本を大切にするっていうことだったり,一つ一つのプレーに対して全力で取り組むということです。当たりまえと言われていることを当たりまえにできるかどうかっていうところも大事だというふうに思いますが,コミュニケーションであったりとか,その言い方に関しては,言い方が悪いと強く映ってしまったりとか,強く聞こえてしまったり,違う意味で取られてしまうというところもありますので,みなさん(メディア)書くときは慎重に書いていただければと思っています。
Q:春のキャンプ,チームを作る上で非常に重要な1ヶ月間だと思うんですが,春のキャンプに対して,監督はどのようなイメージ,構想,必要な部分があると思われていますでしょうか?
春のキャンプが大事なんじゃないです。大事じゃないときは一時もないです。みなさんもひょっとしたらシーズンが終わったらシーズンオフという解釈の仕方をされている方もいらっしゃるかもしれない。
これだけ長いペナントレースを過ごしたんだから休みを与えて,来年のためにリフレッシュしてって思われるかもしれませんが,大事なのは,ボクは秋だというふうに捉えています。ですので,聞き方によっては厳しいというふうに捉えるかもしれないんですけど,大事なのは選手に1年でもプレーをさせるために,自分たちが何ができるかです。ボクはそれ以上のことを選手に望んでいるわけではないんです。
チームとしてやらなきゃいけないことは当然あるというふうに思いますけど,なぜ私が1人1人と向き合いたいかというと,みんな能力もあるし,みんな一軍でやれるだけの練習をすれば,自分のいまある能力よりも高くすることが,ボクはできると思ってます。
ただ,ボクらが強制しては,その能力は伸びないと思ってますので,そこをどうコミュニケーションを取り,未来を見据え,そして彼らが「お,やればできるんだ」という思いになってもらうかが何よりも大事なことだというふうに思っていますので,そうできるように,ボクらが知らないことは自分たちで学ぶということです。全てボクらが知ってるわけでもないですし,選手の方が知っているという場合もあります。であれば,知らないことは自分たちが学び,そしてそれを一緒にコミュニケーションを取って,より良いものにしていこうねということは非常にチームにとっては大切なことではないかと思ってますので,それが1日でも早く叶うように,そして望んだ選手になれるように一緒に協力していけたらベストだなというふうに思ってます。
Q:工藤監督が子どものころに憧れていた野球選手,また,これまでのドラゴンズで特に印象に残っている選手がいらっしゃいましたら教えていただきたいです。
私は子どものころ野球が嫌いでした。だから憧れた選手はいないんですよ。すいませんね。プロに入って,自分が何が足りないかっていうときに参考にしたのが,例えばボクよりも先輩ですけど江夏さんであったり,プロに入ったときの東尾さんであったり,実績を残される方は何が違うんだろうっていうことを,自分の中でいろいろ考えながら教えを請うたこともあります。昔は教えてくれませんでした。見て学べと言われるのが関の山でした。なので,ああいう先輩たちから一言でも,年に1個2個教えてもらったこともないんです。でも一緒にいたら何か教えてくれるんじゃないかと思って,夜の遊びも覚えました(笑)。
すべてが野球のためっていうわけではないんですけど,プロフェッショナルっていうのは何なのかというとこだと思います。ボクは西武ライオンズに入って,プロとは何かの前に,社会人として立派な社会人になりなさいと教わりました。
そこからプロの自覚っていうものを学ばなくてはいけないときに,多くの先輩たちから教えを請うて,いまの自分がいるというふうに思ってます。ですので,そういうところも踏まえると,ボクっていう人間は本当に子どもたちからすると,見本にはならないかもしれないんですけど,でもそれでも野球を続けてここまでこれる人もなかにはいるんだというふうに思っていただければ,これから夢を持ってプロ野球選手になろうという子どもたちもいるわけですから,ボクは嫌いだったと言って「なんだ嫌いでも野球選手になれるのか」じゃなくて,やっぱり大事なのは好きになることです。好きになって夢中になることです。それが,ボクはいまの子どもたちには大事だというふうには思いますし,昔とは環境が違うので,「巨人の星」みたいな環境で育った方いないっすよね?このなかにいますか?星一徹,星飛雄馬の関係みたいなところで育った人いないですよね。ボクぐらいでしょ。
星飛雄馬はね,それでも良かったんですけど,ボクはなぜプロ野球選手になれたかといったら,ボクは人との縁に恵まれたからです。ボクを野球界に戻してくれたりとか,野球やめてもまた野球界に戻してくれる。そういう人たちがいたから,ボクはいまここにいるというふうに思うので,そういう意味ではこれからも今度ドラゴンズの選手たちと話をするときに,これは縁だというふうに思って,しっかり愛情を込めて厳しいかもしんないすけど,厳しいこともあります。でも,しっかり自分の愛情は選手に伝わるようにしっかりやっていけたらなと思ってます。長くてすいません。
来シーズンはよろしくお願いします。







