大学野球とは、文字どおり、大学相当の教育機関に所属する野球部が主体となって行われる野球競技のことです。
1871年に来日した米国人教師ホーレス・ウィルソンさんが当時の東京開成学校予科(その後、旧制第一高等学校、現在の東京大)で教え、その後「打球おにごっこ」という名で全国的に広まります。したがって、日本国内の野球の始めのころは、大学野球の始まりの歴史と重なります。高等教育機関である、大学・専門学校・高等学校などの学生が積極的に行ったため、当初はエリート学校の学生が行うものとして始まり、他の学校や一般に普及して行きました。人気の面では戦争後まではプロ(職業)野球より高いくらいでした。
現在の大学野球の対象となる組織は、大学以外に高専(高等専門学校。ただし、部員登録対象は後半期学年となる第4学年・第5学年のみ)と短期大学、それと大学相当の教育を行う省庁大学校の野球部になります。また、医歯薬関連学部などの6年制の場合は、生涯通年として最大4年間までの制限で登録・在籍することが出来ます。短期大学チームも大学の一部として対象になりますが、実際には各連盟毎に異なった加盟条件の規定があり、短期大学チームは認められていない連盟、単独チームは可能だが、短期大学部の学生を通常の4年制大学チームとして登録する事は禁止している連盟などいろいろです。高専単独チームも、チーム登録部員を4~5年生に制限する事で短期大学単独チームと同列に参加を認めている連盟もあります。
大学と大学校の硬式野球部は、全日本大学野球連盟の傘下連盟と日本野球連盟・一般の部の2つの選択が可能となっています。なお、医科大学や医学部の硬式野球部は、全日本大学野球連盟の傘下連盟と医科学生総合体育連盟と日本野球連盟・一般の部の3つの選択が可能です。また、女子についてはどの連盟も女子部員や女子チームも登録可能です。
1872年 第一大学区第一番中学(後の第一高等学校(旧制))で米国人教師ホーレス・ウィルソンさんが学生たちに教えたのが日本における野球の始まり
1878年 新橋駅の鉄道関係者によって、新橋アスレチックスクラブ(初の社会人野球チーム)が結成
1882年 駒場農学校(後の帝国大農科大学)が新橋倶楽部と日本初の対抗試合を実施
1886年 工部大学校(後に東京大に合併)と波羅大(現在の明治学院大)が対抗戦を実施
1903年 第1回早慶戦開始
1905年 早稲田大野球部が日本の野球チームとして初の米国遠征
1906年 早慶戦中止。一高三高定期戦開始
1914年 早慶を明治大が仲立ちし三大学リーグが開始(以後加盟校が次第に増加。早慶戦は1925年まで復活せず)
1917年 関西地域の有力校8校により関西学生野球連盟(初代)を設立(数年後には解散)。(東京)三大学リーグに法政大が加盟
1921年 (東京)四大学リーグに立教大が加盟
1923年 後の近畿学生野球リーグの母体になる官立三校野球連盟(神戸大、阪大の前身3校)創設
1925年 東京六大学野球連盟結成。リーグ戦を開始。早慶戦が再開。専修大、立命館大、高野山大の野球部が創部。東京新大学野球連盟(旧連盟)結成
1926年 明治神宮野球場が落成
1927年 官立野球連盟が関西六校野球連盟(初代)に改称
1928年 京都大学専門学校野球連盟から旧制大学が独立。京都五大学野球連盟設立。関西六校野球連盟(初代)が関西学生野球連盟(名称としては2代目)に改称
1929年 後の関西六大学リーグの母体になる三大学対校戦(関大、同大、京大)開始
1931年 春に東都大学野球連盟(当時は五大学野球連盟)、秋に関西六大学野球連盟(旧連盟。名称として2代目の関西六校野球連盟)が創設
1943年 戦争激化により、すべてのスポーツ競技大会の中止・中断。連盟の一時解散を実施
1946年 東京六大学野球、東都大学野球、関西六大学野球などが再開。日本学生野球協会を設立
1947年 日本学生野球協会結成記念野球大会を開始。全国大学野球連盟と全国新制大学野球連盟がそれぞれ発足。戦前の関西学生野球連盟所属校が中心になり、大阪三大学野球リーグ開始。全国大学野球王座決定戦開始
1948年 加盟校増加により大阪三大学野球リーグを近畿六大学野球連盟に改称
1949年 全日本大学軟式野球連盟を結成。第1回全日本大学軟式野球大会実施
1950年 日本学生野球憲章制定。全国大学野球連盟と日本社会人野球協会、全日本軟式野球連盟が協力し日本アマチュア野球規則制定。全国新制大学野球選手権大会を開始
1952年 全国大学野球連盟へ全国新制大学野球連盟を統合する形で全日本大学野球連盟が発足。全日本大学野球選手権大会開始
1961年 関西大学野球連合発足
1964年 日本学生野球協会結成記念野球大会廃止。東都大学野球連盟で分裂騒動。脱退組が首都大学野球連盟設立
1966年 日本アマチュア野球協会脱退
1970年 明治神宮野球大会(明治神宮と共催)開始
1972年 日米大学野球選手権大会を開始、全日本選抜チーム出場
1982年 関西大学野球連合が解散・再編騒動。既存4リーグを5リーグに再編
1999年 愛知大学野球連盟で分裂騒動。1年半後に沈静化
2002年 世界大学野球選手権大会が開始
2012年 参加国が4ヵ国と少ないため世界大学野球選手権大会が中止
■硬式大学野球 年間タイトル(全国)
全日本大学野球選手権大会
明治神宮野球大会
上記2つの全国大会に、春秋の各リーグ戦の優勝タイトルを加えて「四冠」タイトルということがあります。ちなみに「三冠」というのはPWFヘビー級王座、インターナショナル・ヘビー級王座、ユナイテッド・ナショナル・ヘビー級王座(UN王座)の統一王座で、全日本プロレスを代表するベルトです。
■主要五大学リーグ
全日本大学野球連盟の傘下にある東京六大学野球連盟・東都大学野球連盟・関西六大学野球連盟・関西学生野球連盟・首都大学野球連盟の5リーグです。これらの大学野球リーグは、創設からの歴史・実績や認知度の高さなどメディアでの扱いとして、「主要リーグ」「主要五リーグ」「主要五大学リーグ」などと呼ばれています。
ということで、今年のシーズンオフの企画は「全国大学野球連盟の旅」です。なお、秋季リーグ戦については基本的に一部リーグについての話になります。