野球小僧 season15

丸坊主にして自由な時間をなくしてまで,青春をそこに注ぐことに意味がある。

言葉で振り返る 2015 プロ野球

年末恒例の「新語・流行語大賞」の年間大賞が「トリプルスリー」でした。1999年までは毎年のようにプロ野球関係から多くの新語・流行語が選ばれていましたので、今年は15年ぶりとなります。

1986年 「新人類」 清原和博(西武ライオンズ)
1994年 「イチロー(効果)」 イチロー(オリックスブルーウェーヴ)

1995年 「NOMO」 野茂英雄(ロサンゼルス・ドジャース)
1995年 「がんばろうKOBE仰木彬(オリックスブルーウェーヴ)
1996年 「メークドラマ長嶋茂雄(読売ジャイアンツ)
1998年 「ハマの大魔神佐々木主浩(横浜ベイスターズ)
1999年 「雑草魂」 上原浩治(読売ジャイアンツ)
1999年 「リベンジ」 松坂大輔(西武ライオンズ)

そこで、2015年の「プロ野球流行語10」というものが選定されました。

「男気(男気契約)」
20億ともいわれるメジャー契約を蹴り、4億円で古巣に戻った黒田博樹選手の広島東洋カープへの復帰は「男気契約」として話題になりました。それからというもの、何かと「男気」を連発する報道でした。つい最近では北海道日本ハムファイターズ中田翔選手が後輩の杉谷拳士選手が来季レギュラーを獲得したらフェラーリを贈るとのことで、「中田翔、男気フェラーリ」としてスポーツ紙で報道されたりしています。また、来年の契約において、カープも男気を見せたということか、黒田選手は2億円増の現役最高年俸となる6億円プラス出来高払いとなりました。20年目のシーズンを迎えることになった男気右腕には、あと7勝に迫った日米通算200勝達成とともにチームの25年ぶりリーグ制覇へのけん引車としての期待が高まります。 

キューバ危機」
1962年に起きたキューバ危機から50年以上たった今年、米国とキューバの国交正常化交渉が始まりました。それに先立ち、2013年にキューバ政府が「野球選手の国外プロ契約解禁」を決めて、2014年には日本プロ野球界に多くのキューバ出身選手がやってきました。そして、シーズン後には、それらの選手が一気に米国球界に流出してしまうという懸念がありました。実際、横浜DeNAベイスターズキューバの至宝ユリエスキ・グリエルは来日せず、最終的には契約解除となりました。また、キューバの国民的英雄・セペダ選手(読売ジャイアンツ)は、助っ人外国人史上初となる、シーズン打率.000という驚異的な数字を記録し、同じキューバ出身のアンダーソン選手も打率.252、7ホームランとジャイアンツファンにとっての「キューバ危機」でもありました。

「守乱シスコ」
もう、これもジャイアンツファンにとっては触れて欲しくない件です。開幕後に加入したドミニカ共和国出身のフランシスコ選手は長打力を買われての入団でしたが、季節を先取りした大型扇風機と化してしまいました。とにかくバットに当たらず、三振の毎日が続き、打率.167、0ホームラン、1打点。打てないだけでなく、守備でもチームの足を引っ張り、付いたスポーツ紙の見出しが「守乱シスコ」でした。原辰徳前監督も「プロとして非常に恥ずかしい」とコメントし、入団一カ月後には二軍行き。しかし、そこでは練習拒否など、言動も問題になり、シーズン後の退団です、ジャイアンツファンにとっての悪夢でした。

「美人妻」
キューバ危機」「守乱シスコ」と、散々だった外国人バッター陣でしたが、マイコラス選手、マシソン選手、ポレダ選手のピッチャー陣は、私の期待を裏切った素晴らしい成績を残してしまいました。特にマイコラス選手は13勝3敗、防御率1.92と投げれば勝つという感じでした。その活躍とともに話題に上ったのが奥さんのローレンさん。スポーツ紙などで「美人妻」として話題になったのをきっかけに、福岡ソフトバンクホークスのバンデンハーク選手のアナさんも「美人妻」として取り上げられました。ローレンさんは芸能界入りし、化粧品のCMにも出演しています。共稼ぎです。

セ界の終わり」「セ界恐慌」
私もこのネタ書いたくらいの歴史的な出来事でした。2015年6月23日のこと、前日まで貯金1でセ・リーグ首位に立っていた読売ジャイアンツが横浜DeNAベイスターズに敗れて、「リーグ全チーム貯金ゼロ」という状況になり、に7月3日には前日まで勝率5割だった東京ヤクルトスワローズ阪神タイガースが敗れて、全チームが「借金」状態になりました。これは交流戦パ・リーグに対してセ・リーグのチームが44勝61敗3分けと負け越したのが原因です。この状況にスポーツ紙だけでなく、朝日新聞など一般紙まで「セ界の終わり」「セ界恐慌」と書かれました。ドラフトも、日本シリーズも良いところのなかったセ・リーグ中日ドラゴンズ以外は来年は巻き返せるのでしょうか。

「今日の三木谷FAX打線」
東北楽天ゴールデンイーグルス田代富雄打撃コーチがシーズン中に退団。病気やケガなどではなく、チームの打撃不振の責任をとる形での辞任というのが当初の理由でしたが、実際は三木谷浩史オーナーの現場介入に対することでの退団でした。その現場介入とは試合前に首脳陣が打順をFAX送信させてお伺いを立て、それに対してアドバイス(?)するというものです。ネットでは以降、打順が発表されると「今日の三木谷FAX打線」という書き込みがされるようになりました。なお、今シーズンのチーム打率は両リーグ最下位の.241です。

「トリプルスリー」
流行語大賞にも選ばれた「トリプルスリー」。過去、球界で8人しか達成していない偉業、トリプルスリーですが、今年はセパで同時に二人も達成ししました。福岡ソフトバンクホークス柳田悠岐選手、東京ヤクルトスワローズ山田哲人選手。また、共に優勝に貢献し、MVPまで獲得しました。ここに関しては語りつくされているので、このくらいで。

「知人男性」
あの話と思ったのですが、想像とは違っていました。東京ヤクルトスワローズ山田哲人選手は、今年の活躍によって、一躍注目の的になりました。となりますと、シーズン中から写真週刊誌が追いかけ始め、「美女たちと合コン三昧」という記事も出ました。このときに話題になったのが山田選手と一緒にいた目線入りで掲載された「知人男性」。実際のところ、「合コン」ではなく、相手女性はチーム関係者、男性陣も、山田選手、上田剛史選手とブルペンキャッチャーの職場の飲み会だったそうです。そして、この「知人男性」は上田選手だったとのことです。それからの上田選手は、写真を撮られる際は自ら目を隠したり、優勝時のビールかけでも「知人男性」のたすきをかけて登場したりしていました。なお、ヤクルトファン感謝デーでは「ヤクルト流行語大賞」でこの「知人男性」は特別賞を受賞しています。

「引退ラッシュ」
今年は多くの選手が引退しました。主な選手だけでも次のとおりです。良いプレーを魅せていただき、ありがとうございました。
読売ジャイアンツ 金城龍彦高橋由伸井端弘和
阪神タイガース 藤井彰人関本賢太郎
広島東洋カープ 東出輝裕
中日ドラゴンズ 山本昌谷繁元信和田一浩小笠原道大
横浜DeNAベイスターズ 高橋尚成
福岡ソフトバンクホークス 帆足和幸
北海道日本ハムファイターズ 中嶋聡木佐貫洋
埼玉西武ライオンズ 西口文也
オリックスバファローズ 谷佳知平野恵一
東北楽天ゴールデンイーグルス 斎藤隆小山伸一郎



「これから一番すごいことが起きるよ。」
9月中旬に中日ドラゴンズ森繁和ヘッドコーチがスポーツ紙のインタビューに答えた際のコメントです。「これから一番すごいことが起きるよ」は謎が謎を呼び、ネットを中心に話題になりました。「引退ラッシュ」予告説、「落合博満GMの電撃退団」説、「谷繁元信監督退団」説などが噂されましたが、真意が不明のままです。これらのどれでもなく、まだ起きていないという説もあります。私としては「来年、ぶっちぎりで優勝」説だと思っています。

正直な話、来年は楽しみです(いつものことですが)。